クラウドベリージャム - 雰囲気づくり

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1枚目はこれにしよう。というのも、今日は大阪のパンゲアでライブだったのだが、BGMがずっとこれだったからである。
このアルバムを聴くと高校時代を鮮明に思い出す。学校に軽音部が無く、新しく作ろうとしたが作れずに、仕方なく帰宅部だった。帰りの会が終わる途端にチャリンコに飛び乗り、高校から自宅までの間にあるツタヤの5枚で千円レンタルをするのが日課だった。
特にこれを借りたいということはなくて、その日目についた1枚1枚をカゴに入れていって、5枚になったら終わり、というのをひたすら毎日ルンルン気分で繰り返していた。だだ、このアルバムはそんな繰り返しの中でも目的を持って借りた1枚だった。
当時ハマっていた格闘ゲームギルティギアイグゼクスの登場キャラ、蔵土縁紗夢(くらどべりじゃむ)の名前の元ネタらしいということで僕は興味津々。群馬のからっ風の中ひたすらペダルを漕いだ。このゲームの登場キャラの名前はほぼ音楽ネタで、この他にもフランクザッパ、ガンズアンドローゼズ等々、色々と借りるきっかけになったものがある(映画だと戦艦ポチョムキンも。本当にいいゲーム)。ホクホクで帰り、トラック1をかけた瞬間、これがポップネスかと本当にエレクトリックサンダーが走った時のことは今でもはっきり覚えている。スウェーデンのおしゃれロック、所謂スウェディッシュポップに分類されるこのバンドは、日本では比較的知名度が高い。僕がまだよちよちしていた90年代初頭、誰もスウェーデンの音楽なんか聴かなかったのに、渋谷系の一大ムーブメントの中でカジヒデキが1人で輸入して広めた音楽ジャンルだと後で聴いたが、今思えばロックにおしゃれ感なんて求めてなかったパンク少年の僕に1番響いたのは複雑なコード感よりも荒くかき鳴らされるギターの音だったのだと思う。今聴いてもこのバンドの出音はかなりパンキッシュでびっくりする。女性ボーカルの声もひたすらクール。でも、パンク少年を本当にのめり込ませたのは今まで聴いたことのなかった変なコードと滅茶苦茶凝ったギターフレーズ、ドラムの変拍子だった。技術的な話をしてしまうと、アルバムを通してこのバンドは絶対コードの境目で食う(1拍先にコードが変わる)。このアルバムのポップネスの秘密であるそんな特徴ひとつひとつ自分にとっては新しくて、また異様に気持ちよくてただひたすら聴きまくった。
結果的に今曲を作る時はこのアルバムに死ぬほど出てくるM7コードに否が応にも行きたくなってしまうし、変拍子と変なリフは入れたい気持ちが常にある。曲作りに関して言えば根本的にはこのアルバムに影響されてるんじゃないかと思う。