ストラトキャスターの話
リクエストいただいたので使ってるギターについてマニアックな話。
たぶん興味ない人は…
…
僕が今使ってるのはFender Mexicoのroad wornというシリーズのストラトキャスター 50’s仕様再現モデルです。
ロードウォーンっていうのは確か「くたびれた」みたいな意味で、使い込まれた50年代製のストラトキャスターを新品で再現しようぜ、的なやつです。
そもそも、ストラトキャスター(以下ストラト、この形のギターのこと)って、
みんな大体同じだと思われてるけど実は細かい違いがたくさんあります。
僕もずっとストラトっていったって全部一緒だろと思っていましたし、学生の時はストラトがとにかく嫌いでした。
僕はあまのじゃくなので、みんなこぞってストラトを使ってるのが嫌で、強がって杉森さんに「あれはギターじゃねえです」とか言っていた気がします。
その状態からなんで今ルンルンでストラトを使ってるかというと、理由は簡単で、
「その後に好きになったギタリストがみんな使っていたから」
です。
リッケンバッカーもそうです。
ヴァン・ヘイレンとかジェフ・ベックとかエリック・クラプトン、ディック・デイル、ジミ・ヘンドリクス、スティービー・レイヴォーン、ロリー・ギャラガー、ストラトを使うギタリストは挙げればキリがないですが、
特に僕はエリック・ジョンソンとU2のエッジ、MC5のウェイン・クレーマーにどハマりして、
「なんで好きなギタリストはみんなストラトなんだろう」と思うようになりました。
なんですごいギタリストはみんなストラトなのか!
僕が使ってみて思った結論は!
「いろんな音が出るから」
これに尽きます。
なんでいろんな音が出るのか、
その話をする前に、ストラトって、みんな使ってるからスタンダードなエレキギターなんだろうと僕は思っていましたが、よくよく考えるとストラトって超変態的な構造です。
絵なしで口で説明するのがすごく難しいんですが…
エレキギター、というかギターってめちゃくちゃ端折ると、
木に弦を6本張ってる楽器ですよね。
で、張る時に
「木に弦をどうやって張るか」
ていう問題があります。
1番シンプルに考えると、「穴が6個空いた鉄のプレート」を木にねじ止めして、その穴に弦を通すのが簡単です。
で、反対側は引っ掛けてくるくる巻けるようにしてピンと張る、と。
普通にこの仕組みでいいじゃん、と思うところ、ストラトはどうかというと
シンクロナイズドトレモロユニット
!!
シンクロナイズド?
トレモロ?
ユニット?
シンクロ!
かっけえ…
これをすごくざっくり説明すると
木の裏側にフックを取り付けて
↓
そこにスプリングを3〜6本引っ掛けて
↓
その先に金属のブロックを付けて
↓
ボディに穴を開け、そのブロックを木の前面まで貫通させて
↓
そこに弦を通して張る
↓
しかもそのブロックは中に浮くように設定することもできて、浮かせると、弦の張力だけでバランスを取っていることになる。
意味わからん!!
そんな事する必要ある?
と思ってたんですけど、ストラト買ってから自分でイジイジイジイジして思ったこと。
いろんなギタリストがストラトを使ってるのはこのシンクロナイズドトレモロユニットのせいです。
しかも、この機構の効果はいろんな音がでるからだけじゃない、
なんと弾き心地が変わる!
つまり自分の奏法に合わせた調整ができる、とんでもカメレオンギター。
僕がみんな持ってると思っていたストラトキャスターは同じように見えて、設定はバラバラ、全然別物だった訳です。
だからギタリスト達は自分好みにガンガンカスタムして自分だけのストラトキャスターを生み出していた。
スプリングの長さ、硬さ、材質、引っ掛ける本数、金属のプレートの長さ、重さ、材質、スプリングの引っ張り具合、金属のブロックを木にくっつけるか、浮かせるか、
オカルトな話、
僕の好きな楽器屋さんの方は
「ストラトは沼、ネジを半周閉めるかどうかで音が変わる」
と言ってました。
ネジの数で音が変わるとか…
裏ブタを開けたら音抜けが良くなるとか…
PS.
よりマニアックな方へ
僕は純正のスプリング3本
ユニットはかなりフローティング
ブロックをスチール製に交換
リアピックアップはセイモアダンカンのクオーターパウンド、ボールピースが高さがバラバラなやつ
弦はタダダリオ10-46
弦高は超高く
Vネック
ジャンボフレット
裏ブタなし
です。
何かあったら質問箱にどうぞ…