ニューヨークに行ってきた

f:id:yahhoi7777:20180927201715j:image

 

先々週くらいにニューヨークに行ってきた。

 

ニューヨークでの第一目的はデトロイトのバンド、MC5の1968年のライブアルバム、”Kick Out the Jams”のリリース50周年企画「MC50」を見ること。

 

f:id:yahhoi7777:20181002205315j:image

 

50周年といってもMC5は解散しているので、ずっと活動してきたという訳ではないけれど、一瞬の時間と空間を記録したライブアルバムが半世紀もの間、大勢の人の耳に触れ、愛され続けるなんて本当に素晴らしいこと。

 


MC5 - Kick Out The Jams live 1970 Detroit

 

既に亡くなっているメンバーもいるので、これは再結成という訳ではなく、オリジナルメンバーはギタリストであるウェイン・クレーマー氏のみですが、それでも、当時のメンバーが半世紀経って全く同じセットリストでライブをするんだから世界中のファンは大興奮。

(しかし日本はツアーに組み込まれておらず…)

 

しかも、さすが伝説的なバンドだけあって他の演奏陣もFUGAZIやSOUND GARDENのメンバー。

 

というのも、MC5は1960年代から政治志向やエネルギッシュなライブをしていたことからパンク以前のパンクバンドとも言われており、そう考えるとウェイン・クレーマーさんは現在最高齢のパンクロッカー。

全世界のパンクキッズはもちろん、フガジやサウンドガーデンという大御所バンドにとっても、もはや仙人のような存在なのです。

 

f:id:yahhoi7777:20181002213143j:image

 

ニューヨークはロンドンと並び、パンクロックの聖地。

 

MC5のもう1人のギタリスト、今は亡きフレッド・ソニック・スミスの奥さんはニューヨークパンクの母と呼ばれるパティ・スミスで、ニューヨーク出身のバンド、Sonic Youthの「Sonic」も彼のミドルネームから。

そんなニューヨークとMC5の繋がりも感じつつ名所巡りへ。

 

f:id:yahhoi7777:20181002215113j:image

 

ニューヨーク・パンクのバンドを挙げればキリがない。

 

テレビジョンにリチャードヘル・アンド・ザ・ヴォイドイズ、トーキングヘッズ、ラモーンズ、スーサイド…

今やレジェンドなパンクバンド達が夜な夜な破茶滅茶なギグをしたのがバワリー315番地に存在したライブハウス、「CBGB」だった。

 

f:id:yahhoi7777:20181002195558j:image

 

今は閉店して服屋になっていると聞いていたので、行ったところで何かあるのかなと思いつつ、とりあえず行ってみると…

 

f:id:yahhoi7777:20180927195305j:image

 

なんと、店構えは全くそのまま。

テンション爆上がり。

 

どうやらこの場所を引き継いだお店のオーナーはパンク文化に理解があり、ここを自分のお店兼CBGBのメモリアルホールとしたらしい。

 

特徴的な看板や中の壁一部はそのまま残され、入口脇には刻印も確かに残っていた。

 

f:id:yahhoi7777:20181002215445j:image

 

f:id:yahhoi7777:20180927195325j:image

 

f:id:yahhoi7777:20180927195339j:image

 

f:id:yahhoi7777:20180927195353j:image

 

f:id:yahhoi7777:20180927195225j:image

正直、服は高級志向で、チープで低俗なパンク文化とは程遠く、むしろ当時のパンクロッカーが中指を突き立ていた対象のような気がするけれど、皮肉なもので、そんなハイソな文化のお陰でここが残っている。

 

f:id:yahhoi7777:20180927204354j:image

名残惜しくもお店を後にして、周辺を散策。

 

f:id:yahhoi7777:20180927204637j:image

CBGBから少し北に上ったイーストビレッジには小さな日本街があり、うどん屋や居酒屋がポコポコ並ぶ。

 

f:id:yahhoi7777:20180927195453j:image

このパンクファッションのお店、SEARCH & DESTROYも、1階も「ケンカ」という名前の居酒屋と合わせて日本人が経営しているらしいく、甲本ヒロト氏やガーゼなど日本のパンクバンドのTシャツも。

 

自分のバンドTシャツとお土産バンドTシャツをたらふく買い、川を渡ってブルックリンへ。

 

ブルックリンは、1990年代のインディーロックの聖地。

日本でいうと下北や吉祥寺っぽい。

 

f:id:yahhoi7777:20181002220301j:image

パンク以降のポストパンク、ニューウェーブオルタナティブシーンを盛り上げたイギリスの名レーベル、ラフトレードのニューヨーク店。

 

倉庫をそのままレコード屋にしたような作りでめちゃくちゃ広く、ライブフロアもカフェもあり、1日中いられる。

 

f:id:yahhoi7777:20181002190406j:image

 

f:id:yahhoi7777:20181002190411j:image

 

f:id:yahhoi7777:20181002190419j:image

 

f:id:yahhoi7777:20181002190443j:image

 

f:id:yahhoi7777:20181002190457j:image

 

f:id:yahhoi7777:20181002190510j:image

 

f:id:yahhoi7777:20180927195439j:image

 

残念なことにニアミスで、この日の前日、CHAIがここでライブだった。

見たかったなぁ。

 

変人とゴミだらけのマンハッタンの喧騒から離れて、この川沿いの公園は落ち着いた雰囲気。

 

f:id:yahhoi7777:20180927195642j:image

ここが自由の国なのは、当たり前のように柵を乗り越える彼が一番示していた。

 

続く

今日のニューウェーブ 第26回

f:id:yahhoi7777:20180822174825j:image

The Buggles / The Age of Plastic

(1980)

 

ニューウェーブ、特にテクノポップを語る上で欠かせない人物、それがミュージシャンであり作曲家であり名プロデューサーのトレヴァー・ホーンです。

 

「アーワ♪ アーワ♪」の掛け声でおなじみ、「Video Killed The Radio Star(邦題:ラジオスターの悲劇)」は彼が中心となったこのバンド、バグルスのデビュー曲。

 

https://youtu.be/W8r-tXRLazs

 

彼はその他にもイエスの「ロンリー・ハート

 

https://youtu.be/SVOuYquXuuc

 

ココリコ・ミラクルタイプでお馴染みフランキー・ゴゥズ・トゥ・ハリウッドの「リラックス」

 

https://youtu.be/pEBXuhqVSws

 

Mr.マリックのテーマソングでお馴染み「レッグス」

 

https://youtu.be/NeD1cyZ8IqQ

 

など、誰でも聴けば「あーこの曲か!」と思うような数々のヒット曲を生み出しました。

 

最新のテクノロジーを駆使し、ありとあらゆる音を類稀なる独自のセンスでミックスした、まるでオモチャ箱のような楽曲群はジャンルレスでボーダレスなニューウェーブサウンドの象徴でもあります。

 

特に彼がポップソングに持ち込んだことで有名なのは「ロンリー・ハート」のイントロで瞬間的に使われている「デン!!」という音。

 

弦楽器をサンプリングし、一斉に鳴らしたこの音はオーケストラル・ヒットと言って、今やテレビ番組でクイズが出題される時といえばこの音ですね。

 

これまでブログで書いてきたのは比較的シリアスなロック志向のニューウェーブでしたが、デュランデュランやワム!など、ポップ志向のニューウェーブの世界観や音作りに彼が与えた影響は計り知れません。

 

先日NHKで特集が組まれた時、ゲストだったのはヒャダイン氏と藤井隆氏。

 

2人が彼に影響を受けているのも分かる気がします。

今日のニューウェーブ 第25回

f:id:yahhoi7777:20180820072050j:image

Legendary Hearts / Lou Reed

(1983)

 

昨日は8/19バイクの日!

ということで今日はフルフェイスのヘルメットがジャケットのこのアルバムを。

 

オルタナティブ・ロック、ひいてはパンク・ロックの源流とも言うべきニューヨークのロックバンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのフロントマンであるルー・リードのソロ12作目です。

 

かなり多作なルー・リード

どれから聴けばいいのか分かりませんでしたが、この時期に参加していたギタリストであるロバート・クアインがきっかけで僕はこれを最初に聴きました。

 

ロバート・クアインは元々、熱烈なヴェルヴェット・アンダーグラウンドファンであり、パンクバンド、テレビジョンのリチャード・ヘル率いるボイドイズのギタリスト。

一見普通のように見えてどこかおかしなギターを弾く人ですが、なんとパンクロッカーでありながら弁護士免許を持つ才人です。

 

60年代から活躍するルー・リードは1980年に結婚し、妻と隠遁生活を送っていたのですが、彼の勧めもあり、名盤「ブルーマスク」で復帰を果たしました。

 

そしてこのアルバムは復帰2作目。

前作が有名なだけにあまり注目はされていないようですが、こちらの方が僕は好きです。

 

シンプルな編成で演奏されるシンプルなロックンロールから醸し出される大人の香り。

 

パンクロックの精神の生みの親でありながら、自らもパンクの影響を受けて再びハートに熱を入れるルー・リードに痺れる1枚です。

 

https://youtu.be/DedsMor--CU

 

 

今日のニューウェーブ 第24回

f:id:yahhoi7777:20180816174259j:image

Swoon / Prefab Sprout

(1984)

 

僕含め、音楽に親でも殺されたのか、自分でも一体何がしたいのかよく分からないまま血まなこになって古いアルバムを聴き漁っているいわば音楽オタクの人達に共通するのは、救いようのないほど酷い「あまのじゃく」だということ。

 

「みんなが好きな音楽以外に、もっと良い音楽がきっとあるはずだ!」と広大な海に一人で船を出した結果、誰も知らないところで勝手に溺れそうになっている孤独な海賊たち。

 

要するに学生時代に友達がいなかった人たち。

 

音楽の話は大好きですが、悲しいかな、あまのじゃくなだけに同じバンドを好きな人を見つけてもその人達とあまりつるもうとしません。

 

内心は大興奮しながら「ほーん、それ好きなんですね、僕も。」とか言ってみたり。なんてダサいんでしょう。

 

その上、「ここいいなぁ」とか「ここあんまりだなぁ」なんて考えながらテキパキ聴くことが習慣化するあまり、初めて聴く音楽にはテンションは上がりつつも、その良し悪しに関してはかなり冷静で、実際のところ、「おお!いい!」と思っても「さぁ他の良いバンドを探そう!」と興味が移ってしまうので、ひとつのバンドに心酔することがあまりない。

 

そんな悲しき海賊たちの多くが長い航海の末に辿り着き、ハマって抜けられなくなってしまう「沼バンド」がいくつかあり、そのひとつがこのプリファブ・スプラウトです。

 

この1984年のデビューアルバム以降、地道なリリースを続ける彼らは、最高のソングライターの1人とも評されるパディー・マクアルーン率いるイギリスのバンド。

 

このバンドの前では、あまのじゃくたちもみんな手を取り合い、固い握手をし、マイムマイムを踊ります。

 

プリファブ・スプラウトが音楽オタクを虜にする理由、

それは、曲ごとに色んなジャンルの音楽を聴かせてくれるからなのか…

コードやメロディや構成が凝っていてなかなか飽きがこないからなのか…

 

いやなにより、たぶんそれは…

 

 

 

パディー・マクアルーンさんも音楽オタクだから…

 

こちらからは以上です。

 

https://youtu.be/NTdssoO6I_s

 

今日のニューウェーブ 第23回

f:id:yahhoi7777:20180816073651j:image

Walk Across The Rooftops

 / The Blue Nile

(1984)

 

今日はクールで大人なニューウェーブ

スコットランドの謎のバンド、ブルーナイルのデビューアルバムです。

このアルバムは知る人ぞ知る名盤だとしばしば言われますが、アルバムとして完成度が高いのに全く注目されていないという意味では本当にそうだと思います。

 

独特な空気感で、これまで書いてきたようなチャキチャキでヒップなニューウェーブとは打って変わって、心を落ち着かせてくれるマイナスイオンのようなアルバム。

 

ゆったりと、どっぷりと、映画を観るような感覚で聴いて欲しいです。

 

そして音が本当に良い。

発売から34年経っているのに、今聴いても古臭さを全く感じません。

むしろ、まだこの先の未来の音楽のよう。

 

オカルト話じゃないですが、不思議なことに、このアルバムを流すと周りがそれまでよりも静かになったように感じる。

 

静かな空間に鳴るブーミーなベース音。この蒸し暑さにうだる心も温度を下げていくようです。

 

https://youtu.be/qxK7AZEdVbU

今日のニューウェーブ 第22回

f:id:yahhoi7777:20180815180120j:image

99 Luftballons / Nena

(1984)

 

おそらく誰しも聴いたことがあるこの歌もニューウェーブ真っ只中の1984年発売でした。

“99Luftballons” (和訳すると99の赤い風船) はドイツ語詞にも関わらず全世界で大ヒットした曲です。

 

https://youtu.be/La4Dcd1aUcE

 

世界中のヒットチャートで1位を獲得したこの曲があまりに有名なので、一発屋のバンドと思われても仕方ないですが、このバンド、ネーナを始めドイツにはNeue Deutsche Welle(ノイエ・ドイチェ・ヴェレ)というパンク・ニューウェーブのドイツ版というべき流れがありました。

(このMVで使われているシンセサイザーも御多分に漏れず名機、”Prophet-5”ですね。)

 

当時のドイツはまだベルリンの壁が崩壊する前。政治的なメッセージを歌うパンクロックの精神性を受け継いだこの曲は反戦歌です。

 

風船は平和の象徴であり、なんの罪もなく日々を暮らす人々のこと。

赤は血の赤、警告の赤、はたまた共産主義の赤でしょうか。

夏の空、地平線の向こうにゆらゆらと飛んでいく99個の赤い風船を戦闘機が敵と間違えて撃つ、戦争なんてそんなくだらないもの、という強いメッセージにも関わらずとてもかわいらしく歌っています。

 

この時、僕はまだ生まれていませんが、ボーカル、Nenaの優しい歌声と、この印象的な歌詞は世界中の人達をハッとさせたことでしょう。

99というのは1999年、つまり未来の世界はどうなっているだろう、という意味合いもあったのだと思います。

 

未だ第二次世界大戦の尾を引いていたドイツだったからこそ生まれた歌だったのかもしれません。

今日のニューウェーブ 第21回

f:id:yahhoi7777:20180814173932j:image

Candy-O / The Cars

(1979)

 

ザ・カーズはアメリカ、ボストン出身のニューウェーブバンド。

シンセサイザーを大胆に取り入れたポップなサウンドで数々のヒットを飛ばしました。

 

当時はかなり売れていたはずなのに、今の日本では驚くほど知名度がないバンドの1つ…。

 

自由や夢の象徴として「車」を題材にした歌詞や曲名は数あれど、それをそのままバンド名にしちゃうところ、最高に好き。

 

左利きのギタリスト、エリオット・イーストンのロックンロールなギターリフに絡むシンセサイザーが何よりの持ち味です。

 

キーボーディストであるグレッグ・ハークスが使用するシンセサイザーの中でも、特に僕が好きなのは、ちょうどこの頃に発売されたSequential Circuits社の”Prophet-5”。

このブログのトップ画像でもあります。

 

野太く、重厚な、存在感のある音でYMOをはじめとして、過去記事でも書いたJAPANやPublic Image Ltdなど、多くのニューウェーブバンドに愛された名機です。

その中でも1番可愛く、ポップに使用したのはこのバンドじゃないでしょうか。

ただこの頃は発売して間もないのでこのアルバムではまだ使われてないのかも?

 

https://youtu.be/-JRXOgj0YUY

 

ロックにポップスに自由自在なバンドですが、このセカンドアルバムが僕の中では1番いいバランスです。