1968

前回に引き続いて、1968年発売のアルバムについてまとめてみました。

1960年代の音楽を聴けるようになったのは、中学〜高校時代に聴いていた一部のアルバム(ヴェルヴェット・アンダーグラウンドとかジミヘン)を除いてここ最近なので、まだまだ知らないものが多いですし、間違った知識もあるかも知れません。

この時代の音源を聴いていてすごく思うのは「良ければ何でもあり」なこと。

流れと全く違う雰囲気の曲が突然出てくるアルバムも多いですし、それまで誰もやらなかったようなものを、ジャンルを超えて進んで取り入れている気がします。

でもそれは「既存の概念をぶっ壊す」といった破壊衝動から来るものではなく、「楽しそうだからこれも入れちゃおうよー」という無邪気な感覚から。

いわゆるサイケ全盛の時代、クスリのおかげか分かりませんが、あくまで綺麗なメロディの中でそういう面白さを楽しんでいるのが聴いているだけで伝わってきます。

でも、ルールから外れた、実験的で自由なアルバムが意外なところで新しさを産むわけで、ここらへんがオルタナティブロックの起源なんじゃないかと思ったり…。

 

 

Odessey and Oracle / The Zombies

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 ジャケからサウンドから何から完成度がめちゃくちゃ高い。今聴いても全然古く感じません。

車のCMに使われたTime of The Seasonが有名ですが、他の曲も超ハイクオリティ。ロック史上のアルバムランキングにもしばしば選ばれる伝説級のアルバムとして扱われているようです。

ジャケット通りサイケデリックで華やかで緻密なサウンドですが、メロディは誰にでも共通するようなどこか懐かしいもので世界的に高評価なのもうなずけます。

今回の中で一番聴きやすいと思います。

 

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The Notorious Byrd Brothers / The Byrds

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 これより前にも有名なアルバムを何枚も出しているバーズですが、グッドメロディの中、12弦ギターでサイケデリックな世界を混ぜ込んでいたデビッド・クロスビーがこのアルバムを最後に脱退します。

メンバーの方向性が合わなくなってきているということは、裏を返せば各個人の才能が爆発しているということ。アルバムとしての統一感こそありませんが、シンセサイザーやフォーク、サイケ、カントリーなどごった煮になって最後までモヤモヤと異様な雰囲気に包まれています。

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Last Time Around / Buffalo Springfield

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 このアルバムも上記と同じように各々の個性が爆発しているアルバム。

メンバーが薬で捕まる等々、バンドがぐちゃぐちゃになって殆ど解散状態の中、無理やり曲を集めてリリースされたらしいです。

上のアルバム同様ジャケットのメンバーは誰とも目を合わせません。

 

ギタリストのスティーブン・スティルスはこの後、バーズのデビッド・クロスビー、ホリーズのグレアム・ナッシュとCSN(クロスビー・スティルス&ナッシュ)を結成します。

バーズとバッファロースプリングフィールドホリーズから1人ずつ。

三国志で言えば劉備曹操孫権が新しい国を作ったみたいな感じ…?

ポケモンで言えばリザードンカメックスフシギバナが揃ったみたいな感じ…?

とにかく当時の人達からすればドリームバンドだった筈。

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Birthday / The Association

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 ロックとコーラスが融合するとしたら、正にこのアルバムの事。

ドラム、ベース、ギター、というロックの楽器編成の上で丁寧に重ねられたメンバー全員のコーラスを聴くと、声も一個の楽器なんだなと思います。

めいいっぱいロックしてる中でめいいっぱいコーラスワークしてるのにどっちも邪魔じゃない不思議。

日本でも大ヒットして、歌謡曲的にも影響力大だった筈なのに今や全然知名度がない。

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The Second / Steppenwolf

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ステッペンウルフはカナダのトロント出身のバンド。去年のカナダツアーでトロントに行くことができたので、それ以来少し親近感が湧きます。

このアルバムには入っていませんが、一番有名な曲は「Born To Be Wild」。映画「イージーライダー」で使用され、テレビでもよくバイクのシーンで流されることがあります。

このアルバムはタイトルどおり彼ら2枚目のスタジオアルバム。ハードロックとサイケデリックロックの中間を行くサウンドは、男らしい音なのにふわふわしてくる不思議な感覚があります。

確かに「男らしいのにふわふわしてくる」アルバムジャケット... 。

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Tropicalia ou Panis et Circense / Various Artists

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 1968年のブラジルではカエターノ・ヴェローゾ主導の「トロピカリア運動」が起こっていました。詳しくは過去記事「カエターノ・ヴェローゾについて」にあります。

カエターノ・ヴェローゾについて - 音楽まみれ

このアルバムはオムニバスで、当時この運動に賛同したアーティスト(音楽家や、編曲家、詩人など)が参加しており、ジャケットからも分かるように色々な文化がごちゃまぜになっています。でもあくまでそれはブラジル国旗の緑色の中。自分たちの文化を大切にしないということではありません。

  

先日、ユザーンさんのツイートで、日本の大正琴がインドに持ち込まれ、現地のバンドに独自の使われ方をされているというのを見ました。

楽器などの物体よりもその国を包んでいる文化や環境の方がずっと偉大で、大正琴はインドの音楽文化に飲み込まれてしまったわけです。

このアルバムもそれと同じように様々な音楽がブラジル音楽に食べられて独自の音楽に成り果てている。そんな「トロピカリア運動」の別名は「芸術における人喰い運動」だそうです。

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Caetano Veloso / Caetano Veloso

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トロピカリアの先導者、リオ五輪の開会式にも登場したカエターノのソロでのデビューアルバム。

これより先にガル・コスタとデュオのアルバムを出していましたが、本格的にロックを取り入れ、トロピカリア運動を始めたのはこのアルバムから。

ジャケットどおり、カエターノの固い意志の周りを、無邪気な音楽的興味が包み込んでるようなアルバムです。ロックが根底にあるので彼のアルバムの中でもかなり聴きやすい方だと思います。

 

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Samba '68 / MARCOS VALLE

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カエターノがボサノバ界の不良だとしたら、マルコス・ヴァーリは学級委員長。

1950年代に生まれたボサノバの後継者としてはカエターノと同じですが、彼はまた違った形でボサノバを発展させました。それはボサノバを英語で歌う事。

実際、このアルバムもほとんど英語詞で作られアメリカでヒットしました。

アメリカの音楽をブラジルにガンガン取り入れてったカエターノと反対に、ボサノバをアメリカに合わせて広く輸出したマルコス・ヴァーリ

ジャズの成分も加わったボサノバ第二世代のスタンダードといえるような名曲がたくさん収録されています。

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Sailor / Ther Steve Miller Band

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この間新宿JAMで対バンした時、Walkingsの風くんにオススメされて聴き始めたバンド。

聞いたところによるとスティーブ・ミラーは70年代や80年代に「The Joker」や「ABRA CADABRA」でヒットを飛ばした頃の方が有名みたいです。

音もさることながら、何よりジャケットがかっこいい....。

このアルバムでも十分才能が光っていますが、時代を追って他のアルバムも聴いてみないとこの人のことは分からなさそうです。もうちょっと聴いて勉強します。

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